開催中の特別展示
HANAE MORIのドレスと黒栁徹子の肖像画
2025.07.05(土)から展示
現在、「HANAE MORIのドレス」と「肖像画」を特別展示中です。
それぞれに寄せた黒栁本人の言葉をご紹介します。
HANAE MORIのドレス
「ファッションは人間の身体に最も近い文化」と、かつて森英恵先生がおっしゃっていました。先生のドレスに袖を通すと、心がふわっと軽くなり、自然と笑顔がこぼれ出します。心の奥まで澄み渡るような、不思議な感覚になるのです。
なかでも私が好きなのは、花をモチーフにしたデザイン。HANAE MORIのシルクシフォンのやわらかで軽やかな質感は、まるで自分が花びらになったよう。ふんわりと静かに揺れて、ひらひらと楽しくなります。
森先生のお洋服は、女性らしさと感性、そして品格にあふれています。ニューヨークでその才能が認められ、やがてフランスでも唯一の日本人クチュリエとして、毎年美しいドレスを生み出し続けたその姿に、今も心から尊敬と憧憬の念を抱いています。
黒栁徹子の肖像画
「私にその役目が務まるかしら?」と思いつつも、画家の皆さんに描いていただくのは、やはり嬉しいもの。若い頃、田辺朋子さんという女流画家に描いていただいたのが、初めてのモデル経験でした。
カシニョールさんとは、ある画商を通じて知り合いました。偶然目にした彼の作品に心を奪われ、私のほうから是非に!とお願いしました。
牧野邦夫さんは、雑誌『芸術新潮』で拝見した作品に深く感銘を受け、編集者にお願いして、ご無理を申し上げて帝国劇場の楽屋で描いていただきました。



